骨粗鬆症は、「何らかの身体的理由の為に、骨折を起こしやすくなっている状態」と定義されます。「何らかの理由」には、骨密度の低下や運動機能の低下、骨質の低下、基礎疾患(糖尿病や関節リウマチ)などが含まれます。
現在わが国には、およそ1300万人の骨粗鬆症患者がいるとされています。またその患者数は依然増加しているのが現状です。
骨粗鬆症による骨折を「骨脆弱(ぜいじゃく)性骨折と呼び、上腕骨骨折、橈骨遠位端骨折(手首の骨折)、脊椎圧迫骨折、大腿骨近位部骨折(股関節の骨折)があります。特に、脊椎圧迫骨折または大腿骨近位部骨折を起こしてしまうと、歩行ができなくなってしまい、入院治療、もしくは手術が必要になってしまいますので、この2つの骨折はしっかりと予防していく必要があります。
骨粗鬆症を未治療のままにしておくと、骨折の危険が高くなり、骨折による活動性の低下→意欲の低下→食欲、思考力の低下→引きこもり、認知へとつながっていきます。
「骨粗鬆症の予防と診療ガイドライン」によると、最も信頼される骨密度検査は、腰椎と大腿骨をDEXAという検査で計測することとなります。骨密度検査でYAM(若年比)70%未満だと、骨粗鬆症と診断されます。また、腰椎圧迫骨折または大腿骨近位部骨折の既往がある方は、骨粗鬆症と診断します。
また、血液検査で患者様個人の骨粗鬆症のタイプを診断し、治療方針を決定します。
骨粗鬆症の治療は、薬による骨密度の改善と、運動療法による転倒・骨折の予防が行われます。薬は、内服薬や注射薬があり、骨粗鬆症のタイプにより最適なものを選択する必要があります。基本的に重篤な副作用はありませんので、安心して継続できます。
初診診察+骨密度検査(DXA)+処方箋
→3割負担 約2400円 1割負担 約800円再診+処方箋料
→3割負担 約580円 1割負担 190円
当クリニックの骨粗鬆症治療を自信をもってお勧めするのは、3つの理由があります。
運動療法では、四肢の筋力トレーニングが転倒防止にも、骨密度維持にも有効とされています。特に下肢の筋力トレーニング(スクワットや片足立ち運動)が効果的です。適度で定期的な運動を心がけましょう。
食生活において、カルシウム摂取はやはり大切です。成人の1日必要量は、おおむね550mg程度です。またカルシウムを吸収するには、ビタミンD、タンパク質、定期的に日光に当たることも重要です。