肩の痛み・四十肩

四十肩とは

肩関節や関節周辺の筋肉(腱板といいます)の炎症や癒着により、肩の痛みがあり、関節が固まってしまって(拘縮)腕が上がらない症状の総称を四十肩(五十肩)といいます。

よく、「四十肩は放っておけば治る」とききますが、放っておくことで関節が固まってしまい、返って完治に長い時間を要することになってしまいますので、早めの疼痛改善と、固まらないうちに動きを治すことが望まれます。

原因

肩関節は上腕骨、肩甲骨、周辺の筋肉、関節のふくろ(関節包)から構成され、スムーズな動きが得られます。

肩関節周囲炎の主な原因は、この筋肉と関節包の間に炎症が起こる事にあります。炎症により筋肉の付着部に石灰が沈着することもあります。

症状

初期は肩関節の違和感(奥が重い程度)から始まり、進行すると頭や顔に手が届かない、物干しができない状態になります。夜寝ていて、痛みで目が覚める「夜間痛」は、生活の障害となることが最も多い症状です。

治療

治療の目標は動きの改善と、夜間痛を取ってあげることにあります。肩関節にヒアルロン酸やステロイド薬の注射をし、痛みと癒着を改善します。関節の中を動きやすくしておいて、リハビリでじっくり肩関節の動きを改善していくのが効果的です。動きの改善が得られると、夜間痛も改善していきます。

例:初診診察+肩関節レントゲン+肩関節ステロイド、ヒアルロン酸注射+リハビリテーション
→3割負担 約2700円  1割負担 約900円

再診+肩関節ステロイド、ヒアルロン酸注射+リハビリテーション
→3割負担 約1200円  1割負担   約400円

来院までに患っている期間が長いほど、治療期間も長くかかります。しかし根気よく治療していくと、大部分の方が快方に向かいますので、あきらめず「治る」と信じて医療機関の受診をお勧めします。

ご家庭でできること

最も大切なことは、肩をしっかり動かしていくことです。動きに左右の差があり、重みや痛みを感じた時は、ゆっくりと肩を回したり、痛みのある腕を健康な腕で持って動きを補助してあげるなどがいいでしょう。少しでもおかしいなと思ったら、医療機関の受診をし、早めの治療をお勧めします。

著者
院長

いしがみ整形外科クリニック院長 石神 等

日本整形外科学会認定専門医
日本骨粗鬆症学会認定専門医

さたけ整形外科リハビリクリニック院長 佐竹 厚志

日本整形外科学会認定専門医
日本体育協会公認スポーツドクター

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