
- いしがみ整形外科クリニック
院長 石神 等 - 日本整形外科学会 認定専門医
- 日本骨粗鬆症学会 認定専門医
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変形性膝関節症とは
膝関節内の軟骨が摩耗して、露出した軟骨の下の骨(軟骨下骨)が衝突し痛みや変形を生じる病気です。


わが国では年間90万人が変形性膝関節症に発症しており、約1000万人の患者さんが治療してる、とても多い疾患です。女性が男性の約2倍多く、特に60歳以上、肥った方に多い傾向があります。
変形性膝関節症の分類(程度軽い→重い)
病気の進行度合いにより、治療の方法が異なってきます。
切らずになおす治療法
第1段階:減量、運動療法(ストレッチ、筋力トレーニング)といった、日常生活上の注意
第2段階:
- リハビリでの温熱療法、マッサージ
- 薬物治療:鎮痛薬の内服または外用(湿布、塗り薬など)
コンドロイチンやコラーゲンなどのサプリメントの効果はまだ科学的に証明できておらず、失われた軟骨を再生するには一度に瓶で何本という量を飲む必要があり、現実的には効果がないというのが現状です。 - 関節内注射:ヒアルロン酸、ステロイド剤など
最近、東京大学の先生たちによる研究で、ヒアルロン酸注射が明らかに膝関節の変形を抑制する事が報告されました。膝の悪くなるのを抑える数少ない治療の一つです。疼痛が強いときは、安全な量のステロイド剤を注射することで、かなりの鎮痛効果があり、大変効果のある治療です。 - 装具(サポーターや足底板など)
現在装具治療に関しては、明らかな鎮痛効果や病状の進行抑制などの証明はなされておりません。
手術による治療
膝をわずかに切開し、関節に内視鏡を挿入して、映像を見ながら痛みの原因となる関節内の組織や変形した半月板(はんげつばん)の処理などを行います。
体への負担が比較的少ない手術ですが、変形性膝関節症の治療には推奨されないのが現状です。
図のように、変形した膝を、骨を切り矯正し、健常な関節で体重を受けるようにする手術です。変形が軽度で、65歳未満の方には良い適応です。
高度な変形でない、65歳以上で、膝の曲げ伸ばしに問題のない方に良い適応の手術です。
図のように、変形の進行した関節部分のみ人工関節にします。
必要な十字靭帯などが完全に温存され、正常な膝とほぼ同じ動きで違和感がなく、スポーツも問題なくできます。15年以上の長期成績も保証されつつある手術です。
変形が高度で活動制限が著しい場合、幅広い年齢に推奨される手術です。
手術前
手術後(両側同時手術も可能)
O脚変形も矯正されます。
近年では、20年以上もつ人工関節が90%を超える時代となっており、専門の外科医が適切に手術をすれば、疼痛のない一生もつ膝関節に治療できる時代になっています。また、手術の切開を小さく、術後の疼痛も小さくする手術(MIS)や術後管理も進んでおり、術後の辛いイメージもかなり改善されてきています。
当クリニックでの治療の特徴
- 全ての切らない治療が可能で、膝関節の専門家がオーダーメイドの治療を選択します。
例:初診診察+膝関節レントゲン+膝関節ステロイド、ヒアルロン酸注射+処方箋
→3割負担: 約2500円 1割負担: 約830円再診+理学療法
→3割負担 約320円 1割負担 約110円
再診+理学療法
→ 3割負担 2600円 1割負担 880円再診+膝関節注射+理学療法
→3割負担 約1000円 1割負担 約330円 - 保存加療が限界である場合、院長自ら全ての手術加療(関節鏡、骨切り術、UKA、TKA)を提携病院である三井病院で施行いたします。
ポイント- 膝関節の治療は変形の度合いに応じて効果がある治療も変化します。
- リハビリや注射などが効果的な場合には持続する事で効果を得られますが変形が高度になった場合には手術に勝る治療はないのが現状です。
- 膝の痛みが持続する場合には整形外科の医師に相談し、適切かつ科学的な治療を受けましょう。
膝関節の再生医療について
当クリニックでは、膝関節の再生医療も提供しております。(自費診療)
詳しくは、膝関節の再生医療をご覧ください。

